あ め
やや二日酔いも、朝から主夫業。
昨日はF元君と扇町の立ち呑み。
女将が「二人はいつも店入ったら、二人とも隣の人と話して、二人で話してるのみたことない。仲がええ
のか悪いのかワカラン?」と言うから、「長年連れ添った夫婦みたいなもんで、今更、顔つきあわせて話
す事もそないにおまへん」と言うた。
妙に納得しとった。
ワテの有り金全部注ぎ込んでのF元君の仕事の再生は、今のところうまい事いってへん。
それもあって、F元君が「俺がもし死んでもうたら・・・」と悲しい事ぬかすから、飲み過ぎた。
濡縁におき忘れた下駄に雨が降ってるやうな
どうせ濡れだしたものならもっと濡らしておいてやれと言うやうな
そんな具合に僕の五十年も暮れようとしてゐた。
木山捷平は『五十年』という詩でこんな具合なことを書いてる。
今はやんでるけど、朝から雨。
シトシトと久し振りにかわいげのある雨降っとった。
晴れた日だけが、本来の自分であると、ノー天気な楽観主義者みたいな奴は言う。
生きてる間、雨が降ったまんまのような人もおる。
そやから言うて、そんなんを恥じる事もないし、世間に詫びる必要もない。
ほな。