惷
「秋という字の下に心をつけて、愁と読ませるのは、誰がそうしたのか、いみじくも考
えたと思う」は、織田作之助の『秋の暈』の書き出し。
秋に心で愁か。
なるほどうまいこと出来てんなぁと思いつつ、ほな他の季節はどないなんやろ?とな
って検索してみた。
夏と冬はなかったけど、春に心で惷(しゅん)ちゅうのがあった。
『字通』によると、1) みだれる 2) 惇と通用し、「あつい」 3) 字はまた、蠢くに作る。
また、古訓に、「名義抄」オロカナリ、ツタナシ、カタクナシ、ナブル。「字鏡集」オロ
カ、ウゴク、ミダル、コヒ、ワヅラフ。
ということらしい。
つまりはニンゲンちゅうのは、春と秋はヤヤコシクなるもんらしい。
あぁ、ヤヤコシイ!
ほな。