わてほんまに よういわんわ…なにわの名曲アルバム(3)

『買い物ブギ』です。

 ♪ 今日は朝から 私のお家は
   てんやわんやの 大騒ぎ
   盆と正月 一緒に来たよな
   てんてこまいの 忙しさ ♪

『買い物ブギ』は笠置シズ子で有名だけど、私は「トリオ・こいさんズ」だったか?の歌で覚えてます。

 ♪ ちょっとおっさん こんにちは
   ちょっとおっさん これなんぼ
   おっさんいますか これなんぼ
   おっさんおっさん これなんぼ
   おっさんなんぼで なんぼがおっさん
   おっさん おっさん おっさん おっさん ♪

何しろ歌詞が大阪弁ですので、はっくりくっきり覚えてます。

作曲は服部良一ですが、この大阪弁の歌詞は「村雨まさを」作詞となっております。

実はこの「村雨まさを」って服部良一本人です。

そうです、服部良一は大阪生まれです。いうならド大阪です。平野区で生まれてはります。

通っていた東平野小学校には先輩に武田麟太郎、後輩に織田作之助がいたりします。同級生に原水禁運動

の法学者、安井郁がいたりもします。

お父さんは砲兵工廠で働いていたそうです。砲兵工廠は『日本アパッチ族』や『夜を賭けて』の舞台に

もなったところでもあります。

成績優秀でも、裕福ではなかったですから中学校に進む事もなく、工場で働きながら天王寺商業高校の

夜間部で勉強する生活です。

そんな、服部良一の音楽家としての始まりはハーモニカです。

将来が見えないまま、姉から買ってもらったハーモニカを吹いている良一に、再び姉がハーモニカが

上手やし、「いづもや」が少年音楽隊を作るから応募してみたらと勧められたことから始まります。

「いづもや」はまむし(鰻)の専門店で、大阪では馴染の深い老舗です。

とにかく、ここから服部良一の音楽への旅が始まったのです。


私の年齢では服部良一の曲は既に懐メロ状態でしたが、黒沢の『酔いどれ天使』の中で笠置シズ子

歌った『ジャングル・ブキ』が妙に残って、それから気をつけて聴くようになりました。

私は服部良一の湿り気のない青空みたいなイメージが好きです。

青い山脈』、『東京ブギ』、『銀座カンカン娘』、『山寺の和尚さん』、『蘇州夜曲』、『別れのブ

ルース』・・・とあります。

服部良一については、『胸の振り子』という公式HPがあります→http://www.r-hatto.com/

また『上海ブギウギ1945-服部良一の冒険』という評伝を読んだりしました。


服部良一は軍歌を作らず、淡谷のり子は歌わなかったという事をもって、反戦のイメージで見る人もい

るようですが、ただ単に軍歌が嫌いだったということのようです。

私には、この事のほうが凄いことと思えるのです。

お上の命令より優先するものを持つということ自体が素晴らしいことと思ったりします。


そんなんでした。