富山唯継役は誰がいいのだろうか?
阪神ファンだから、今シーズンのチーム編成を何となく考えたりする。
むかしは、飲み屋でアホアホ連中と喧嘩腰でやったりもした。
そんな感じで、本読んでて「あっ、これはこの人が演じたらええかも」と思うたりすることがある。
【遠い蒼空(iyhs0114)】さんも、少し前にそんなことを書いてはった。
話は『金色夜叉』のことだ。
これ、私の記事に【bataiyu2001】さんも、「どうしてこれをまた映画化しないのだろう」とコメントし
てくれてはった。
たしかに、読んでて「これ映像にするなら、この監督で、あの俳優で」と自然と考えたりするくらいに面
白い本だ。
映画は、私が昨年末にテレビで観た大映制作の1954年からは映画化されていないようだ。
その1954年の大映版では、お宮が山本富士子で、寛一が根上淳だ。
調べたら、1948年の映画では、お宮が轟夕起子で寛一が上原謙となっている。
ところで、今期の阪神のチーム編成を考えるとき、当たり前だがエースと4番は誰かを考えたりするよう
では話にならない。と言いながらも、実はエースが誰か?の不安はあったりするのだけど。
『金色夜叉』でも同じことが言える。
物語のエースと4番は決まっているものとして、脇をどうするかだ。
富山唯継。
大映版では船越英二が演じている。
調べたら、松竹版(1948)では、古川緑波が演じてるそうだ。
今のところ、富山唯継のイメージは二つのようだ。
松竹版はお坊っちゃん育ちでぽっちゃりのダメ男で古川緑波。
大映版は愛人ばかり作るキザ男で船越英二。というような具合だ。
『金色夜叉』は、カルタ会で富山が、宮と出会うところから始まる。
物語の始まりでの三人の心はどんなもんやったか?
富山唯継は、イギリス留学から帰ってすぐに芝に家建てて、そっから嫁探しするんだけど(いつの時代も
金持ちのやることはこんなんやなぁ)、嫁にするなら絶対に美人を!と決めてたので、20件以上の見合
いをしてもうまい事行かんで、けっこう焦ってて、そんなんで、ええ娘おれへんかなぁ?とカルタ会に参
加したりする。そこで宮と会うわけです。
鴫沢宮は、寛一が「好っきやで~」と慕ってくれるのを嬉しいと思いながらも、けっこう自分が美人やい
う事を自覚してて、明治音楽院のドイツ人の教授のプロポーズに、セレブな生活のイメージを妄想してグ
ラッとしたりもする。そんな具合です。
間寛一です。この男は、物語の始まりでは、まったく影のない男です。学校出て、宮と一緒になって、偉
くなってという未来以外を考えた事もない男です。
富山唯継は可哀想だったりします。カルタ会で男連中からドサクサで頭を引っぱたかれたり、手の甲を爪
で引っ掻れたりもします。
何となくわかります。私もそうすると思います。
『金色夜叉』を読んでると、妙に富山唯継が寂しくてたまらなくなるときがあります。お宮は富山の子を
生むことはなかったりします。
尾崎紅葉は、富山唯継をこんな風に書いてます。
・・・紳士は背が高く、ほどよく太って色が白く、頬のあたりがぼうっと赤みを帯びているが、額がひろ
く口が大きく顎が張っている。髪は左から分けてべったりと油で撫でつけ、薄い口髭をはやし、大きな鼻
に、五つ紋黒塩瀬の羽織に華紋織の小袖を裾長に着、七糸帯(しちんおび)から懐中時計の金鎖をたら
し、大様に面をあげて座中を見まわす。まるで光を放つようで、このまどいの中にこんなに色白く身ぎれ
いに美々しく装ったものはいなかった・・・
・・・みなが互いに自分のほうを眺めるを見て、左手に葉巻を持ち、右手を袖口に入れて床柱にもたれ、
見下すように、眼鏡の下からみなに目をやっている・・・いつとはなくみなは紳士が富山唯継という、成
りあがりながら、下谷区に聞こえた資産家の総領息子であることを知った。おなじ区の富山銀行は市会議
員もしている唯継の父富山重平がつくったものである・・・
この役を、今なら誰にやらそうかと考えるのですけど。
思いつかんです。
むかしは、飲み屋でアホアホ連中と喧嘩腰でやったりもした。
そんな感じで、本読んでて「あっ、これはこの人が演じたらええかも」と思うたりすることがある。
【遠い蒼空(iyhs0114)】さんも、少し前にそんなことを書いてはった。
話は『金色夜叉』のことだ。
これ、私の記事に【bataiyu2001】さんも、「どうしてこれをまた映画化しないのだろう」とコメントし
てくれてはった。
たしかに、読んでて「これ映像にするなら、この監督で、あの俳優で」と自然と考えたりするくらいに面
白い本だ。
映画は、私が昨年末にテレビで観た大映制作の1954年からは映画化されていないようだ。
その1954年の大映版では、お宮が山本富士子で、寛一が根上淳だ。
調べたら、1948年の映画では、お宮が轟夕起子で寛一が上原謙となっている。
ところで、今期の阪神のチーム編成を考えるとき、当たり前だがエースと4番は誰かを考えたりするよう
では話にならない。と言いながらも、実はエースが誰か?の不安はあったりするのだけど。
『金色夜叉』でも同じことが言える。
物語のエースと4番は決まっているものとして、脇をどうするかだ。
富山唯継。
大映版では船越英二が演じている。
調べたら、松竹版(1948)では、古川緑波が演じてるそうだ。
今のところ、富山唯継のイメージは二つのようだ。
松竹版はお坊っちゃん育ちでぽっちゃりのダメ男で古川緑波。
大映版は愛人ばかり作るキザ男で船越英二。というような具合だ。
『金色夜叉』は、カルタ会で富山が、宮と出会うところから始まる。
物語の始まりでの三人の心はどんなもんやったか?
富山唯継は、イギリス留学から帰ってすぐに芝に家建てて、そっから嫁探しするんだけど(いつの時代も
金持ちのやることはこんなんやなぁ)、嫁にするなら絶対に美人を!と決めてたので、20件以上の見合
いをしてもうまい事行かんで、けっこう焦ってて、そんなんで、ええ娘おれへんかなぁ?とカルタ会に参
加したりする。そこで宮と会うわけです。
鴫沢宮は、寛一が「好っきやで~」と慕ってくれるのを嬉しいと思いながらも、けっこう自分が美人やい
う事を自覚してて、明治音楽院のドイツ人の教授のプロポーズに、セレブな生活のイメージを妄想してグ
ラッとしたりもする。そんな具合です。
間寛一です。この男は、物語の始まりでは、まったく影のない男です。学校出て、宮と一緒になって、偉
くなってという未来以外を考えた事もない男です。
富山唯継は可哀想だったりします。カルタ会で男連中からドサクサで頭を引っぱたかれたり、手の甲を爪
で引っ掻れたりもします。
何となくわかります。私もそうすると思います。
『金色夜叉』を読んでると、妙に富山唯継が寂しくてたまらなくなるときがあります。お宮は富山の子を
生むことはなかったりします。
尾崎紅葉は、富山唯継をこんな風に書いてます。
・・・紳士は背が高く、ほどよく太って色が白く、頬のあたりがぼうっと赤みを帯びているが、額がひろ
く口が大きく顎が張っている。髪は左から分けてべったりと油で撫でつけ、薄い口髭をはやし、大きな鼻
に、五つ紋黒塩瀬の羽織に華紋織の小袖を裾長に着、七糸帯(しちんおび)から懐中時計の金鎖をたら
し、大様に面をあげて座中を見まわす。まるで光を放つようで、このまどいの中にこんなに色白く身ぎれ
いに美々しく装ったものはいなかった・・・
・・・みなが互いに自分のほうを眺めるを見て、左手に葉巻を持ち、右手を袖口に入れて床柱にもたれ、
見下すように、眼鏡の下からみなに目をやっている・・・いつとはなくみなは紳士が富山唯継という、成
りあがりながら、下谷区に聞こえた資産家の総領息子であることを知った。おなじ区の富山銀行は市会議
員もしている唯継の父富山重平がつくったものである・・・
この役を、今なら誰にやらそうかと考えるのですけど。
思いつかんです。