こんなもんじゃ
戦争が終わったときに 馬よりも劣っておると 思い知りたり (山崎方代)
ここに掲げた歌にしても、いかにももっともだが、このように呟いてみせた人はいなかったと思う。散文 的でこれが歌というのなら、とぼくらも気楽にその気になっても、そうは問屋をおろさず、ペンを投げ出 すだろう。それにしても「劣っておる」と思ったイキサツは何であったのだろう。(小泉信夫)
以上は、文藝春秋『こんなもんじゃ・山崎方代歌集』の「方代・私の一首」から引用です。
大ざえもんさんの記事『小泉信夫―アメリカンスクール』を読んで思い出したのです。
大ざえもんさんの記事はこちらです→http://blogs.yahoo.co.jp/daizaemon115710/28210960.html
東海林さだおの「方代・私の一首」は
卓袱台の上の土瓶に 心中をうちあけてより らくになりたり
谷川俊太郎の「方代・私の一首」は
このように なまけていても人生に もっとも近く詩を書いている
俵万智の「方代・私の一首」は
こんなにも 湯呑茶碗はあたたかく しどろもどろに吾はおるなり
私の好きなのも
いつまでも転んでいるといつまでもそのまま転んで暮らしたくなる
夕日の中をへんな男が歩いていった俗名山崎方代である
こんなにも赤いものかと昇る日を両手に受けて嗅いでみた
●『こんなもんじゃ』は文藝春秋社発行の山崎方代歌集のタイトルです。
●いちおうですが、方代=ほうだいです。やりたい放題の「ほうだい」です。
こんなところです。
・・・あっ、いちばん好きなの忘れてました。