オッパイババア

 
読売新聞の読書欄の「空想書店」というコーナー。

諸星大二郎が、店主の時のことを昨日書いた。

その記事がネットで掲載されてたのだけど、佐野洋子が店主の時の記事もあった。
 →http://www.yomiuri.co.jp/book/column/pickup/20051206bk02.htm

佐野洋子は好きな人だ。

100万回生きたねこ』が有名らしいけど、それは読んでない。


佐野洋子の「空想書店」の棚。

山田風太郎の『人間臨終図巻』が入っている。

「生まれる時は人はほぼ同じだが、死ぬ事は皆違う。有名人死に方図巻。あんまり面白いのでお中元にし

たことがある。」なんて、店主の佐野は書いている。

お中元にするあたりが、この人らしいなぁと思うたりする。


その他にも、それぞれの本についてのコメントが気持ちいいのだ。

ちばてつやの『おれは鉄平』については、こんなふうに書いている。

ちばてつやの漫画は無鉄砲でのどかで、作者は最後は収拾がつかなくて投げ出しちゃうのがいい。」

そして「『のたり松太郎』のオッパイババアに私はなりたい。」って書いている。

ん?『のたり松太郎』はわかるけど、「オッパイババア」がわからん?

読むしかないなぁ。


佐野洋子という人は、『神も仏もありませぬ』に書いてた、こんなので、ええなぁと思うた。


   青い空に白い雲が流れて行くのを見ると、子供の時と同じに世界は私と共にある。

   六十であろうと四歳であろうと「私」が空を見ているだけである。
   
                     ― 佐野洋子『神も仏もありませね』より


そういえば、M・シュティルナーはこんなこと言っている。

   昨日鳴いたからといって今日も明日も鳴かねばならぬ謂れなし。


六十であろうと四歳であろうと「私」が空を見ているだけである

ほんまに、そやなぁ思う。


そんだけ。