昭和5年8月19日…嫁ハン譲渡声明文
図書館に本を返しに行ったついでに確認してきた。
昭和5年(1930)の今日、この挨拶状が発送された。
当時も大騒ぎになったようだけど、今ならオリンピックは飛んでるかも知らん。
人の色恋は尊敬もせんけど、軽蔑もせんという人間なので、話のもつれにそんなに興味はない。
大変でしたなぁくらいのもん。
もちろん自分の場合はそうはいかんけど。
谷崎は辻の巴里行きや辻がビンボーで詰まった時の後援会を引き受けていたし、浅草を舞台にした『鮫
人』という小説では、辻をモデルにしたりもしている。
鮫人は男版の人魚みたいなもので、中国の伝説。
彼と太宰との差は太宰が朴訥な田舎者で自己を語るにヤボな小説体を以ってした所を、辻は翻訳や 随想雑記でした点だけであろう。 辻の代表作ともみるべき自伝的随筆は題して『ですぺら』と云う。敢て絶望の書と呼ばず同じ意味 をこの造語で現したのが辻の気取りでもあり文藻でも私情でもある。その語感の示す彼は・・・楽 しく絶望したのである。
佐藤春夫は、女中に某かの金を渡して会う事はなく、辻も、その金を懐に「おっ」の一言で立ち去ったと
いいます。
谷崎潤一郎は、表まで出てきて「うるさいよ」と言ったとあります。
どっちがどうかは、好き嫌いの問題かと思うのやけど、私は谷崎のような対応をする思う。
はい。