空々くろろん

菅野青顔という人がいる。

1970年発行のオリオン出版社辻潤著作集全六巻』の中で、年譜作成に携われた人。

辻贔屓の一人で、元気仙沼図書館長として戦火から蔵書を守り抜いた人でもあるらしい。

『空々くろろん~辻潤駄々羅先生覚書』と云う豆本を出された人。

その本に中に、広野重雄という人が描く辻潤像があり、辻の頭に円光がついているそうだ。

まさに「聖辻潤」というところか。

1950年8月24日。気仙沼観音寺境内に気仙沼自由芸術協会により、辻潤の「陀仙碑」が建立さる。

これも、青顔氏の尽力によるものと思われる。

陀仙碑には、辻の詩が刻まれている。



海岸山かんのん寺の朝ぼらけ空々くろろんと啼くは誰が子ぞ――陀仙



私は、この「空々くろろん」の響きが大好きなのであります。

そんだけですが。