なんでもない

  
梅田はカッパ横丁の古本屋街で、大沢正道編『虚無思想研究』(上・下)があった。

5000円。

・・・え~と、え~と。5000円ゆうことは、あこの店でビール2本と酒三本とドテ焼きと・・・

いや、ちょっと高いけどあそこの刺身で・・・即座に飲み代に換算するオッサンではある。


で、買った。

そういえば、ずいぶんと前に、土佐出版から『虚無思想研究』の復刻版が出たので買ったけど、売ってし

まった。


虚無思想。


「『 虚無思想 』というのは『 なんでもない思想 』と言うことだ。」と辻潤は言う。


辻潤の『きゃぷりす・ぷらんたん』に登場するおすみ婆さんの話はいつ読んでも面白い。
 さすがのダダイズムも兜を脱いで降参してしまった…遅くまで針仕事をやって、まるで子供のよう

 に瑣末なことを面白がり、人生はどこに退屈の風が吹いているのか?-というような顔をして毎日

 を暮しているおすみ婆さんを見ていると、私は自分がつくづくとなさけなくなって不幸のドン底に

 落ちこんだように感じてしまうのだ。おれは全体、いつになったら人生の殻を爆発して飛び上がる

 ことが出来るのだ、実に役にも立たないものをよけいに詰めこんで生きることを忘れた馬鹿者であ

 ることを如何にしみじみと痛感したかは、こんな風な私の文章の書き方によっても読者に推察して

 もらえることだと思う。


おととい、知り合いと酒飲んでから別れ、本買って一人で調子に乗って酒飲んでたら、ぶっ倒れた。

まるで火吹き男のようにブワァ~ッと汚い色の血を吐いた。

救急車で運ばれて、一泊して昨日帰ったけど、たいしたことではない。


そんなんで、昨日は一日をぼんやりとしていた。

曇り空の中、ぼぉ~と石ころを見てた。



石ころは優しい。



今日のこともわからんのに、明日のことを思い煩ってもしようがない。


まして明後日のことを気にして、オトトイきやがれ!人間になりたくもない。



青天井の下で、犬の「孤独」を持って生きたい



ある人の記事のコメントにそう書いた。

これからは、そんな具合にやっていこう思う。




そんだけ。